【N国・れいわ】選挙って実は面白い!比例代表の存在意義【参議院】
2019年7月21日に参議院議員通常選挙が行われ、大方の予想通り与党の圧勝で終わりました。今回の選挙で焦点となった、憲法改正の発議に必要な、両議院合わせて2/3に届くかですが、こちらも大方の予想通り届かない結果となりました。この結果については個人的にはよかったと考えています。憲法改正については多党議論の下に成す必要があるものと考えています。
各党の議席数の変化について
さて、今回山本太郎率いる「れいわ新選組」と、 立花孝志率いる「NHKから国民を守る党」が躍進し、政党要件を満たすことになりました。下記は選挙の結果です。(NHKの公式サイトから)
そもそも参議院議員ってなに?衆議院委員との違いは?
私も衆議院が4年、参議院が6年の任期で、定数が違うこと、相互にチェック機能のために分かれていること、ぐらいの認識しかありません。
簡単に調べてみると他にも違いがあるようです。下記に簡単にまとめました。
衆議院 | 参議院 | |
被選挙権 | 25歳以上 | 30歳以上 |
定数 | 465人 | 242人 |
任期 | 4年 | 6年(3年毎に半数を改選) |
解散による総選挙の有無 | あり | なし |
なお、衆議院には参議院よりもより権利が与えられており、「衆議院の優越」といいます。主な内容としては、法律案の議決、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名、予算先議権、内閣不信任決議および内閣信任決議、国会の会期決定などが挙げられます。
今回の選挙の見どころ
今回の選挙では比例代表で2政党が議席を確保、政党要件をクリアしました。しかも今回はいつもと様相が違い、極端な政策を掲げ当選したことです。
れいわ新選組
今回の選挙では比例代表の特定枠で2名が当選しました。党首の山本太郎氏は相当数の票を集めましたが落選。おそらく次の衆議院選挙では当選するであろうと思います。
れいわ新選組のマニュフェストについて
れいわ新選組では主に財政出動と減税に焦点を当てています。下記はれいわ新選組HPの政策へのリンクです。
消費税廃止、公的住宅の拡充、奨学金返済の免除、最低賃金「1500円」などなど、非常に耳触りの良い政策が多いですが、そのお金はどこから出るか。政策の中では財政出動とあり、国債の発行によりこれを補填するとあります。
消費税廃止を考えてみますと、現在の消費税による税収は20兆円あり、毎年20兆円以上の国債を発行しすることになります。その引き取り手は誰がするのか。主に日銀や国民となるわけですが、そうなるとおそらく通貨を大量に発行することになると思われます。すると円の価値は下がり円安となり、物価の大幅なインフレとなる可能性があります。当然債権の金利も高くなり、国の借金は大幅に増えることになると思われます。
大丈夫でしょうか…。
個人的には消費税廃止とするのであれば、法人税率の引き上げを同時に実施すべきと考えます。下記は法人税の推移です。税率は40年前の半分です。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/c01.htm
バブル崩壊後、景気減速への対策として法人税減税を進めてきましたが、現在大手を見ると過去最高益となる企業が多数出てきています。ただ、与党の言うトリクルダウンはほとんどなく、内部留保として使われないお金になっています。設備投資も増えたとはいえ、内部留保の割合から言うと多くはないようです。
また、ほかの政策では、奨学金返済の免除も不公平感が強く、かなりの反発が予想されます。トンデモ法とされている法律についても、国防上外すとまずいものもあるように思えます。
重度障碍者議員に関する風当たり
今回当選した舩後靖彦氏、木村英子氏は重度障碍者です。私は今回特定枠で重度障碍者を当選させたことは障碍者にとってマイナスになるのではと考えています。
まず、ニュースでもあるように2氏に対する登院にかかる費用を国が負担していることについて、障碍者優遇ととられかねないと考えています。また、れいわの議員として障碍者しかいないことから、議論および異議の発議など健常者に比べ適時対応が難しく、機会の損失が生じる可能性があると思います。
議員は国民の代弁者ですが、障碍者の代弁者が障碍者である必要はなく、健常者でもよいと考えていて、円滑に障碍者側の主張をするためにも健常者もしくは軽度の障碍を持つ方で良かったのではないかと思います。
NHKから国民を守る党
政見放送で話題を集めていたNHKから国民を守る党(N国)より立花孝志氏が比例代表で当選しました。
NHKから国民を守る党のマニュフェストについて
N国のマニュフェストはただ一つ、NHKのスクランブル化です。ちなみに下記は立花氏の政見放送です。
かなりふざけた内容ですが、後半は割とまともなことを言っています。おそらくこの辺りは有権者層だけではなく、それ以下の年代層の取り込みも想定しているものと思われます。実際「NHKをぶっ壊す。」、このフレーズは小学生が連呼していたのを聞いたことがあるので、一部の学校や学年で流行りとなった可能性が考えらえます。
さて、そのほかの政策はというと「無い」そうです。それで大丈夫か?現在議論されている政策や今後されるであろう政策については基本的に多数派に従うと言っています。ただ、この辺りはマニュフェスト実現により有利な立場をとると予想されます。
ちなみに下記がNHKから国民を守る党の公式HPです。リンク先の立花氏のホームページのドメイン切れているけど大丈夫かな?
立花孝志氏について
立花孝志氏は元NHK職員です。NHKを内側から見ていた人で、NHKについてどういったことが問題なのか、また、どうされるのが一番嫌がるのかを熟知しているようです。今回の政見放送の中でもNHKは放送を拒否できない立場から、NHKの不払いにする方法まで放送されてしまいました。NHKは煮え湯を飲まされた放送になったように思えます。
NHKを不払いして大丈夫?最高裁でも支払う必要があると判決が出ましたが…
よほど悪質でない限り実際にNHKが訴訟を起こすことはなかなかないです。ただ、当然今の法律では判例を見ると100%敗訴します。ただ、敗訴となった場合でも訴訟費用は敗訴した側ではなく、それぞれで持ち出しで、請求される費用も最大5年分(地上契約だと約8万円・衛星契約だと約13万円)です。
NHKの何が問題なのか
NHK自体にも問題はありますが、一番の問題は放送法という法律です。放送法についてはNHKのサイトにありますのでそちらをご確認ください。
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/compliant_1.html
この放送法によると受信機を設置されている世帯毎に契約の義務があること、事業所については部屋毎、車載装置毎に契約する必要があることが謳っています。
片や日本の法律には契約自由の原則がありますが、その例外であると最高裁で判決が出ています。つまり現在の法律では、強制的に契約が結ばれ、NHKに対して支払いの義務が生じます。
ちなみに放送法ではその受信料に対する規定はなく、NHKが決めた額での契約となります。予算は国会の承認を得て決定しているそうですが、国民の負担を考えて議論はされていないのではと勘ぐってしまいます。実際、18年度は過去最高益の7122億円(5年連続)となっています。ここまで儲けが出ていてさらにインターネットまで取るというのはいかがなものかと思います。
https://www.nhk.or.jp/faq-corner/2jushinryou/01/02-01-06.html
通常契約は双方合意のもと行われるわけですが、契約の強制は法律上仕方ないにしても、NHKの言い値で契約は不可解です。これでは最近話題となっていた旧優生保護法とどう違うのでしょうか。そもそも法律で一民間企業が優遇される法律はこのご時世合わないのではないでしょうか。
水や電気のようなライフラインでさえ、支払いが滞ったら止まるのにNHKは貧困者からも公平に強制徴収を是としているようです。当然電気がなければつかないTVも受信機が付いているので対象です。
放送法でNHKが規定されている理由の一つとなる、災害時等の情報伝達手段の確保ですが、すでにその役割は大きくなく、携帯電話を提供しているキャリアやヤフーのようなポータルサイトにとって代わっている側面があり、立花氏が主張するスクランブル化ができる下地は十分に整っていると考えています。
ちなみに私はNHK見ていますので料金を支払っています。
比例代表制の存在意義
話を戻しまして、比例代表制の存在意義についてですが、これまで私は主要政党に票を投じてきましたので、選挙区であろうと比例代表であろうと結果として同じで、2つ存在する意味を考えていませんでした。
しかしながら、今回のように選挙区にいない政党や、支持政党ではないけど頑張ってほしい政党へ票を投じることで、選挙区より、より民意を反映した結果が生まれるものと感じました。これは私が選挙権を持ってから初めてではないかと感じています。
今後は比例代表枠に焦点を合わせてみてみたいと考えています。
最後に選挙に行っていない人は一度選挙に行ってみましょう
今回の選挙では投票率が50%を下回っています。これは非常にもったいないことです。支持政党もないし、興味がない方でも一度選挙へ行って白票でもよいので投じてみてはどうでしょうか。
選挙後は選挙速報ばかりのTVですが、投票していれば実は結構楽しめます。まずは選挙にかかわるところから始めてみてください。
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