【ITサービスマネージャ】まずは無勉からの現状確認 午後1 問2【SM】
前回に続きH30秋午後1の問2について記載していきたいと思います。
【H30秋(SM)】ITサービスマネージャ試験 午後1 問2
問2の概要
W社は本社が東京にあり、海外需要が高まっていることから欧州支社(時差-8時間)を設立した。情報システム部は東京本社にあり、システム開発課とシステム運用課で構成され、W社の社員が利用する受注管理サービスを提供しいる。定期保守以外であれば休日、夜間問わず利用が可能なサービスである。システムの構成図は省略。
・システム開発課:SC(ソースコード)を作成または修正したのち、システム運用課に対してSCのビルド及びデプロイを依頼する。PGに対してのシステムテスト、デグレードしていないかのテストを実施する。
・システム運用課:稼働環境及び開発環境へのデプロイを行う。稼働環境をデプロイする場合は、LBの設定変更によって、アクセスをSorryサーバへ振り分け、すべてのAPサーバのデプロイを実施する。
[受注管理サービスの変更]
業務ルール改正提供が11月、それまでに稼働環境の受注管理サービスの変更が必要。PGをテスト用サーバの指定環境へのデプロイ完了。データベースへの影響ない変更のため、AP展開ツールを利用して10月12日(金)にデプロイを予定。
[受注管理サービスインシデント発生と対応]
10月4日(木)13時にインシデント発生。プログラムの不具合でDB上のデータに誤りが発生。システム開発課でプログラム修正完了。APサーバからDBサーバへ通信が発生しない状態でデプロイする必要があるため、AP展開ツールから稼働環境へデプロイ、LB閉塞、在庫管理ファイルの誤り修正、LB閉塞解除の順で実施する。10月4日(木)22時から一連の作業を実施予定であったが、サービス利用者への影響を少なくするために10月4日(木)20時から修正し、完了した。
[業務ルール変更計画の実施]
10月10日(水)に緊急変更諮問委員会が開催され、変更が承認、10月12日(金)10時にAP展開ツールを用いてデプロイされた。
内容としてはデプロイ時の手順と欧州支社との関連性(時差)を意識して回答できればある程度解けそうです。
設問1 [ツールによるデプロイの自動化]について、AP展開ツール導入の利点を、40字以内で述べよ
なお、欧州支社及びシステム開発課からの要望の実現、反復的なシステム開発の実現、作業ミスの防止及び作業品質の向上は除く。
解答:受注管理サービスの利用に影響を与えることなく、システムの停止なしにデプロイ可能。
IPA解答: 稼働環境にデプロイするときにサービスを停止しなくて済む場合がある。
ざっくりとした問ですが、設問の前提条件で大幅に制限されています。設問の問いたい部分に焦点を当てて解答するようにすればある程度点がもらえると思います。表2のAP展開ツールの処理概要に答えが書いてありますね。最初のところで「受注管理サービスの利用に影響を与えないように」となっていますので、これを応えればよいと思います。
設問2 [受注管理サービスのインシデント発生と対応]について]、(1)、(2)に答えよ。
(1)本文中の下線(ア)の修正作業について、不具合を修正したプログラムをAP展開ツールで稼働環境にでデプロイした後に実施する理由を、30文字以内で述べよ。ここで、要員・システム環境は不足していないものとする。
解答:プログラム修正前だと新たな誤りが発生する場合があるため。
IPA解答:プログラムの不具合によって再度誤りが発生してしまうから。
AP展開ツールによってLBの閉塞解除が行われるから。
これは処理の流れとデータの状態を考えればすぐにわかります。不具合のあるプログラムがある状態が解消されるまでは誤りが生じる場合があります。そのため、修正後にデータの誤りを修正しています。IPA解答の2つ目はよくわかりません。たぶんAP展開ツールで修正中は修正済みと未修正が混在するためだと思います。
(2)本文中の下線(イ)について、Y氏が作業開始時刻の変更を提言した理由を、40字以内で具体的に述べよ。
解答:欧州支社の休憩時間帯へデプロイ時間を変更し、サービスへの影響を少なくするため。
IPA解答:欧州支社のサービス利用者が利用中の時間帯であり、業務に影響があるから。
これは本文に記述がありますね。10ページに「欧州支社から情報システム部に、”東京本社の22時は欧州支社では14時であり、業務に影響を与えるので、PGを稼働環境にデプロイする時間帯を変更してほしい。”という要望があった。」とあります。ここから理由を導き出せば正解だと思います。
設問3 [業務ルール変更計画の実施]について、(1)~(3)に答えよ。
(1)システム開発課がテストできるように、[受注管理サービスのインシデント発生と対応]の対応完了後、システム運用課が速やかにテスト用サーバに対して実施すべき内容を、40字以内で述べよ。
解答:是正保守で使用したテストサーバの保守環境へ本番環境のデータをコピーする。
IPA解答:売上プログラムと共通プログラムをテスト用サーバの開発環境にデプロイする。
これはあまりわかりませんでした。ただ、13ページの③に「PGをテスト用サーバの指定環境にデプロイ」とあるので、テスト環境のどちらかを指定して記載するんだろうとは予測はできました。
図1のテスト環境の注釈を見ると、保守環境は是正保守で利用されるので、今回のインシデントに対してのテスト環境と分かります。そうなると開発環境だけ環境が乖離してしまうので、IPAの回答になるのだと思います。
(2)本文中の下線(ウ)について、システム開発課が追加で修正すべき内容を、25文字以内で述べよ。
解答:10月4日に発生したインシデントに対するプログラムの修正
IPA解答:共通プログラムの不具合修正内容を反映すること。
ここはアプリケーションソフトのリリースとその修正、およびインシデント発生の時系列を追えば問題ないかと思います。
(3)本文中の下線(エ)について、システム開発課が追加でテストすべき内容を、40字以内で述べよ。
解答:修正プログラム適用後、在庫管理ファイルのデータに誤りが生じないかのテスト
IPA解答:不具合を修正することによって、想定外の影響が出ていないかどうかを確認する。
テストしたものを再度テストしてもあまり意味がないですね。一般的な話で、デグレードテストは修正加えたら必要です。
問2の総括
東京本社と欧州支社との時差、デプロイ手順とインシデント発生のタイミング、各環境を総合的に見ないと解けない感じで問1に比べるとやや難易度が高いかと思います。ただ、内容的には時系列や相互の関係を見て取れば60点は問題なく行けると思います。設問3はテスト環境と運用に関する一般知識を問う問題で、なかなか良い問題だと思います。
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